食中毒を引き起こす細菌
細菌 形状 好気/嫌気 毒素産生 よく発生する食品・感染源 特徴 症状
サルモネラ菌 桿菌 好気 - 畜肉、魚、鶏肉、ミルクなどの食品や鰻、レバー刺身、卵焼き、ローストチキンなどの水産・畜産加工食品に多く見られる。 人畜共通の原因菌で、家畜、家禽の腸管に高率で保菌される。また、保菌したネズミの糞尿で調理場や食品が汚染されて食中毒を招く。 急性胃腸炎(悪寒・吐き気・嘔吐・腹痛・下痢を伴う)、重症の場合は血便お起こる。潜伏期間は6〜48時間。
腸炎ビブリオ 桿菌 好気 - 魚介類の刺身や寿司が感染源となる。生の魚介類を調理した後の調理器具や手指等から汚染される。 海水中や海泥中に生存し、水温20℃以上、最低温度15℃以上になると海水中に大量に増殖して、魚介類によって運ばれる。 上腹部の痛み、嘔吐、胃けいれんのような痛み、腹痛、下痢、発熱など。潜伏期間は7〜20時間。
病原性大腸菌 桿菌 通性嫌気 + ほとんどの種類が保菌者を重要な感染源とし、さまざまな食品に汚染が見られる。 腸管病原性大腸菌
乳幼児の場合、少量の菌で発病する可能性がある。O抗原体だけでも10種類以上の菌型が確認。 サルモネラと似た急性胃腸炎を引き起こす。軽い発熱を伴うこともあり、潜伏期間は8〜30時間
毒素原性大腸菌
腸管内でコレラ毒素に類似した毒素(2タイプ)を産出し、大量の水分を分泌させる。 発熱はないが、コレラのような下痢を起こす。潜伏期間は1〜3日。
腸管侵入性大腸菌
腸管粘膜上皮細胞内に侵入して増殖し、赤痢菌のように細胞を死滅させる。 赤痢に近い下痢、頭痛、発熱などの症状が起こる。潜伏期間は2〜3日。
腸管出血性大腸菌
O-157に代表されるベロ毒素を産出する大腸菌。アメリカ、カナダ、日本で集団発生があった。 激しい苦痛を伴う下痢や血便を起こす。腎臓障害(HUS)に発展するケースもある。潜伏期間は4〜9日と長い。
カンピロバクター らせん状桿菌 微好気 + 家畜・家禽などの腸管に存在し、特に保菌率の高い鶏肉から検出されることが多い。 4℃以下でも長い期間生存し、菌数が少なくても発病する。 発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛などの前駆症状があり、次いで吐き気や腹痛、下痢症状も現れる。潜伏期間は2〜3日と長い。
黄色ブドウ球菌 球菌 好気 + 人の可能した傷、皮膚、おでき、ニキビ、喉や鼻の中、毛髪などに常在している。また、適正温度を超えたハム、弁当などから検出されることが多い。 食品の中で増殖する際に毒素をつくり人体に危害を及ぼす。毒素は熱に強く、100℃30分の加熱でも分解されない。菌自体は熱に弱いので十分に加熱すれば死滅する。 吐き気、嘔吐、続いて下痢に襲われる。人によっては腹痛と発熱を伴う。通常一両日中に回復する。潜伏期間は1〜5時間。
ウェルシュ菌 桿菌 嫌気 + 土壌や海水などの自然界、人や動物の腸管にも高率に存在する。食品の温度が43〜47℃だと発育に最適。 100℃4時間の加熱でも死滅しない場合がある。嫌気性で加熱調理の際に鍋の中が酸欠状態になり、食品温度が発育温度域に下がると急激に増殖する。 腹痛と下痢が主。まれに粘血便が見られる。潜伏期間は8〜22時間だが、1〜2日で回復する。
ポツリヌス菌 桿菌 嫌気 + 土壌のほか河川、湖沼、池、海岸などに分布。農水産物に付着する。酸性度の低い缶詰、魚の発酵食品から検出されることも多い。 嫌気性で密閉タイプの容器のような無酸素環境を好む。産する毒素の免疫学的特徴の違いからAからGまでの7つの型に分類される。 初発症状は吐き気や嘔吐、次いでめまい、頭痛などが起きる。その後、弱視・複視などの眼症状が現れ、神経麻痺による発語障害、嚥下障害、口渇、失声なども発症。腹部膨満、便秘、虚脱感、起立不能、歩行困難になることもある。
セレウス菌 桿菌 好気 + 土壌、水中、埃など自然界に広範囲に分布し、穀類、豆類、香辛料などから検出されることが多い。 耐久性、好気性で酸素がある条件でよく繁殖する。同じセレウス菌でも嘔吐毒を産するものと下痢毒を産するものとがある。日本で多い前者は熱に強く、加熱しても毒が残る。 嘔吐に腹痛が伴う。発熱は見られない。症状は一般的に軽く、一両日に回復する。
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